「ポリエステルは燃えやすい」と聞いて、本当なのか気になっていませんか?結論から言うと、これは事実です。ポリエステルは石油から作られる化学繊維で、火に近づけると溶けながら燃え広がる性質があります。作業着に使う場合は、現場によって向き不向きがはっきり分かれる素材です。
この記事では、ポリエステルが燃えやすいとされる理由を化学的な視点から解説し、実際に向かない職場・作業、レーヨンやナイロンとの違い、そして火を使う現場で選ぶべき難燃素材まで、まとめて紹介します。
ポリエステルが燃えやすいとされる理由
ポリエステルが燃えやすいと言われる最大の理由は、石油由来の合成繊維だからです。原料は主にPET(ポリエチレンテレフタレート)で、ナフサなど石油系の原料を化学的に合成して作られています。
ポリエステルの発火点は、綿などの天然繊維に比べて低く、炎に触れるとすぐに溶け始めます。さらに厄介なのが、燃えながら溶けて滴り落ちる「溶融滴下(ようゆうてきか)」という性質です。溶けた繊維がそのまま肌に付着すると、深いヤケドにつながる危険があります。単に「燃えやすい」だけでなく、「溶けて燃え広がる」点こそがポリエステルの本当の怖さです。
しなやかで美しい光沢が楽しめるポリエステルですが、作業着として採用する場合は、職場や作業に支障が出ないか必ず確認してからにしましょう。
ポリエステルの作業着が向かない職場・作業
ポリエステルの作業着は燃えやすい性質があるため、以下のような職場や作業には向きません。
厨房
ポリエステルの作業着は、厨房には向きません。厨房では、調理に火を使うため、作業着に燃え移りやすいからです。
ポリエステルは燃え移ると素早く広がるため、大ヤケドによる後遺症のリスクが高くなります。また、命を落としてしまうこともあり得るため、難燃素材の作業服の着用がマストです。
溶接
火を使う職場として、溶接の現場も挙げられます。高温下で火を使う職場のため、燃えやすいポリエステルの作業服は着用できません。
溶接の現場では、燃え移りによるヤケドのリスクを軽減し、作業スタッフの安全を確保するためにも、難燃素材を使用した作業着を着用すべきなのです。
精密機器製造
精密機器製造では、安全に作業するためにも帯電防止に注意する必要があります。そのため、静電気が起きやすいポリエステルの作業着は向きません。
静電気が発生すると、精密機器の不具合や誤作動・ホコリの吸着・混入といった問題が起こるからです。
電気工事
電気工事にも、ポリエステルの作業着は着用不可になります。作業中の感電を避けるためには、作業着も帯電しづらいことが求められるからです。
残念ながら、ポリエステルは静電気が起きやすく、帯電しやすいといえます。
これらの現場で着衣着火が起きると、燃え広がるスピードが速く、重度のヤケドにつながるおそれがあります。心当たりのある現場では、次で紹介する難燃素材への切り替えを検討しましょう。
燃えにくい・難燃素材の作業着への選び方
火を使う現場では、ポリエステル単体ではなく、燃えにくい・難燃加工された素材の作業着を選ぶのが基本です。代表的な素材は以下のとおりです。
- 綿100%:天然繊維で、溶けて滴り落ちない。厨房など軽度の火気作業に向く
- 難燃加工ポリエステル・アラミド繊維:特殊な薬剤や繊維構造で燃え広がりを抑えた素材。溶接・電気工事など高リスクな現場向け
- モダクリル:難燃性が高く、防炎ユニフォームにもよく使われる素材
難燃素材は「燃えない」わけではなく「燃え広がりにくい」素材である点に注意してください。JIS規格や防炎ラベルの有無も、選ぶときの目安になります。
>>【関連記事】火に強い素材とは?火を使う現場におすすめの燃えにくい作業着4選!
レーヨンやナイロンと比較して選ぶこと
ポリエステルと合わせて作業着によく使われる素材に、レーヨンやナイロンがあります。素材ごとの違いを知っておくと、現場に合った作業着を選びやすくなります。
レーヨンはポリエステルとは異なり、石油ではなく木材パルプなどを原料とする再生繊維です。見た目や肌触りは絹に近いものの、熱にはあまり強くありません。一方ナイロンは、ポリエステルと同じ石油由来の合成繊維ですが、吸湿性が高く、静電気が起きにくいという特徴があります。
- ポリエステル:石油由来・吸湿性が低い・静電気が起きやすい・シワになりにくい・熱に弱く溶けやすい
- レーヨン:植物由来(再生繊維)・吸湿性が高い・シワになりやすい・熱にやや弱い
- ナイロン:石油由来・吸湿性が高い・静電気が起きにくい・シワになりやすい・熱に弱く溶けやすい
上記の違いをよく理解し、作業着選びの参考にしてください。なお、ポリエステルと綿の混紡素材など、複数の素材を混紡することで、それぞれのメリットを引き出すこともできます。現場や作業内容に合わせて、混紡素材も検討してみるとよいでしょう。
>>【関連記事】空調服はナイロンとポリエステルどっちがいい?違いを徹底比較
まとめ
ポリエステルは石油由来の合成繊維で、熱に弱く、燃えると溶けながら燃え広がる性質があります。単に「燃えやすい」だけでなく「溶けて広がる」点が現場でのリスクです。厨房・溶接・精密機器製造・電気工事など、火や静電気にシビアな現場では、綿100%や難燃加工素材への切り替えを検討しましょう。
なお、私ども「作業着専門通販 まもる君」でも、ポリエステルやポリエステル混紡素材の作業着のほかにも、難燃・帯電防止タイプまで数多く取り揃えています。さまざまな素材・タイプの作業着を比較し、職場や作業にマッチするベスト1を探してみてください。
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