作業現場によってはヘルメットの着用が義務付けられており、移動手段としてバイクや原付を使用する場面もあるでしょう。
その際に、「工事用ヘルメットはバイクに乗るときにも使えるのか?」という疑問を持つ方もいるかもしれません。
今回は、工事用ヘルメットはバイク用として兼用できるのか?という点について、法令の観点から正しく解説します。
工事用とバイク用のヘルメットは兼用できるのか?
結論から言うと、工事用ヘルメットをバイク用として使用することはできません。
道路交通法施行規則により、バイクに乗る際は所定の安全基準を満たした「乗車用ヘルメット」を着用する必要があります。
乗車用ヘルメットの基準(道路交通法施行規則)
- 左右・上下の視野が十分に確保できること
- 風圧によりひさしが垂れない構造であること
- 著しく聴力を損なわない構造であること
- 衝撃吸収性があり、帽体に耐貫通性があること
- 容易に脱げないよう固定できるあごひもを備えること
- 重量が2kg以下であること
- 人体を傷つける恐れのある構造でないこと
工事用ヘルメットはこれらの基準を満たしていない場合が多いため、原則として兼用はできません。
【国内販売品】乗車用ヘルメットにはPSCマークが必要
バイク用ヘルメットには、「PSCマーク」の表示が義務付けられています。
PSCマークは、消費生活用製品安全法に基づく適合製品であることを示す安全認証です。
このマークがないヘルメットを販売することは違法であり、罰則の対象となります。
ただし、着用自体には罰則はありませんが、安全性が保証されないため推奨されません。
SGマークでさらに安全性を確認
安全性をより重視するなら、SGマーク付きのヘルメットを選びましょう。
SGマークは製品安全協会が定めた厳格な基準を満たす製品に付けられており、事故時の補償制度(最大1億円)もあります。
工事用ヘルメット・バイク用ヘルメットにはどんな種類がある?
工事用ヘルメット
スタンダードなものから、クリアバイザー付き、軽量タイプ、シールド付きなど種類は豊富です。
夏場には遮熱加工や通気孔付きのヘルメットも熱中症対策としておすすめです。
バイク用ヘルメット
フルフェイス、ジェット、オフロード、システム、ハーフタイプ(125cc以下)などがあります。
それぞれ特徴が異なるため、使用環境や安全性に応じて選びましょう。
まとめ:ヘルメットは正しい種類を使い分けよう
工事用ヘルメットとバイク用ヘルメットは構造・安全基準が異なるため、原則として兼用できません。
用途に応じて正しいヘルメットを選び、安全を確保することが大切です。