高所作業では、わずかな落下・転落でも頭部に重い損傷を負うおそれがあります。だからこそヘルメットは「かぶっていればいい」ものではなく、規格・素材・フィット感まで見て選ぶ必要があります。
2m以上の高さでの作業や、5トン以上の貨物自動車からの荷下ろしなどではヘルメットの着用が義務付けられていますが、規格の見分け方や素材の違いまで理解している方は意外と少ないのではないでしょうか。
この記事では、高所作業に適したヘルメットの選び方を、規格・保護性能・素材・サイズ・快適性の観点から解説します。
高所作業ではヘルメットの着用が義務付けられている

高所作業においてヘルメットの着用は、労働安全衛生規則第435条・第539条で定められています。
違反した場合は6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられるため、高所に準ずる作業では必ず高所作業用のヘルメット・保護帽を着用しましょう。
何メートルから義務になるのか、規格や罰則の詳細を先に知りたい方は、高所作業のヘルメット着用は何メートルから義務?規格・罰則も解説で詳しく解説しています。ここからは、実際にヘルメットをどう選べばよいかというポイントに絞って解説します。
高所作業に適したヘルメットの選び方
高所作業用のヘルメットを選ぶときは、以下の5つのポイントを押さえておくのがおすすめです。
・国家検定規格に合格していることが前提
・保護性能の種類(飛来・落下物用/墜落時保護用)で選ぶ
・素材の特徴で選ぶ
・サイズ・フィット感で選ぶ
・通気性・快適性で選ぶ
それぞれ詳しく見ていきましょう。
国家検定規格に合格していることが前提
高所作業用のヘルメット選びに迷ったら、まず国家検定規格に合格しているかどうかを基準にするのが安心です。
国家検定規格に合格したヘルメットは、たしかな保護性能が認められており、高所作業中の墜落・転倒から頭部を守ってくれます。
ヘルメットの内側に「労・検」のラベルが貼られているのが、国家検定規格に合格した証拠です。購入前に必ず確認しましょう。
保護性能の種類(飛来・落下物用/墜落時保護用)で選ぶ
国家検定規格のヘルメットには、想定する危険に応じていくつかの種類があります。代表的なのは次の2つです。
・飛来・落下物用:上方からの物の落下・飛来による衝撃から頭部を守る
・墜落時保護用:高所からの墜落・転落時の衝撃から頭部を守る
高所作業では、墜落・転落のリスクがあるため「墜落時保護用」の表示があるヘルメットを選ぶのが基本です。ただし、足場の上や高所から物が落ちてくる可能性がある現場では、飛来・落下物用の性能も併せて備えたヘルメットを選ぶと安心です。他にも「電気用」など用途に応じた種類があるので、作業環境に合わせて選びましょう。
素材の特徴で選ぶ
ヘルメットは素材によって、耐久性や重さ、価格帯が変わります。
・ABS:衝撃耐性・電気絶縁性に優れ、比較的安価で種類も豊富
・PC(ポリカーボネート):衝撃耐性・電気絶縁性・耐熱性に優れ、軽量なモデルが多い
・FRP:衝撃耐性・耐熱性・耐溶剤薬品性に優れ、過酷な現場向け
・PE(ポリエチレン):電気絶縁性・耐溶剤薬品性に優れ、軽量でコストを抑えやすい
どの素材にも一般的に3年程度を目安とした使用期限があり、ひびや変色が見られたら早めに交換することも大切です。どのような環境下で作業するのかによって、適した素材を選びましょう。
>>【関連記事】ABSヘルメットとは?特徴・メリット・デメリット・耐用年数を徹底解説
>>【関連記事】FRP製ヘルメットの特徴とは?メリット・デメリット&ABSとの違いを解説
サイズ・フィット感で選ぶ
規格や素材が合っていても、サイズが合っていなければ本来の保護性能を発揮できません。
多くのヘルメットは内側のハンモックやあごひもで頭囲を調整できる仕組みになっているため、購入前に自分の頭囲を測り、調整範囲に合うモデルを選びましょう。
あごひもは緩んでいると転落時にヘルメットが外れてしまう恐れがあるため、作業前に毎回しっかり締め直す習慣も忘れずに。
>>【関連記事】作業用ヘルメットのあご紐の付け方|締め方・調整・交換のやり方も解説
通気性・快適性で選ぶ
高所作業は長時間に及ぶことも多く、蒸れや暑さはそのまま作業効率や安全性の低下につながります。
通気孔付きのモデルや、内装に汗を吸いやすい素材を使ったモデルを選ぶと、夏場でも快適に作業しやすくなります。重さも長時間作業では負担になるため、軽量なPC製・PE製のモデルも検討してみてください。
高所作業とヘルメットの選び方に関するよくある質問
Q. 国家検定規格に合格していないヘルメットは使ってはいけない?
高所作業など法令で着用が義務付けられている作業では、国家検定規格に合格したヘルメット(「労・検」ラベル付き)の使用が前提です。規格外のヘルメットでは必要な保護性能が保証されないため、選ばないようにしましょう。
Q. ヘルメットの耐用年数はどれくらい?
素材によって差はありますが、一般的には使用開始から3年程度が交換の目安とされています。ひび割れ・変色・内装の劣化が見られた場合は、期間内でも早めに交換してください。
Q. 購入後にサイズが合わないと感じたら?
多くのモデルは内側のアジャスターで頭囲を調整できます。調整範囲を超えて大きい・小さいと感じる場合は、サイズ展開の広いモデルへの買い替えを検討しましょう。
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高所作業には安全性の高いヘルメットを選ぼう
今回は、高所作業に適したヘルメットの選び方について解説しました。
高所作業では、国家検定規格に合格していることを前提に、保護性能の種類・素材・サイズ・快適性まで見て選ぶことが、安全性の高いヘルメット選びにつながります。
上記をふまえた上で、作業やご自身に最適なヘルメットを見つけてみてください。
