高所作業では、転落や落下物による事故が発生しやすく、安全対策としてヘルメットの着用が義務付けられています。
では、具体的に何メートルからヘルメットが必須となるのでしょうか。
本記事では、法令上の基準や推奨される高さ、さらに高所作業に適したヘルメットの選び方を詳しく解説します。
高所作業とは何メートルを指す?
高所作業とは、地上および床面から2メートル以上の場所で行う作業を指します。
実際に、労働安全衛生規則の518条に高所作業が以下のように定義されています。
第九章 墜落、飛来崩壊等による危険の防止
第一節 墜落等による危険の防止
(作業床の設置等)
第五百十八条 事業者は、高さが二メートル以上の箇所(作業床の端、開口部等を除く。)で作業を行なう場合において墜落により労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、足場を組み立てる等の方法により作業床を設けなければならない。
2 事業者は、前項の規定により作業床を設けることが困難なときは、防網を張り、労働者に要求性能墜落制止用器具を使用させる等墜落による労働者の危険を防止するための措置を講じなければならない。
上記のように、高さが2メートル以上について触れている点から、高所作業とみなしてよいでしょう。
高所作業でヘルメットの着用が必須なのは何メートル?
労働安全衛生法に基づくと、2メートル以上の作業ではヘルメットの着用が義務付けられています。
2メートル以上の高所は転落リスクが高く、転落時の頭部保護および作業効率性を考慮するとヘルメットが適切です。
高所作業ではなくともヘルメットは着用すべき
高所作業でなければヘルメットは着用しなくてもよい、というわけではありません。
作業内容によって、少しでも頭部の打撲・ケガのリスクがあるならヘルメットの着用はルール化しておくほうがよいでしょう。
厚生労働省も1m未満の場所でも、事故・ケガの可能性がある作業はヘルメットの着用をすべきだと推奨しています。
2メートル以下の低所作業だとしても、安全面を考慮してヘルメットの着用は意識しておきましょう。
高所作業に適したヘルメットの選び方
高所作業用のヘルメットを選ぶ場合には、以下の点をふまえるのがおすすめです。
- 飛来・落下物用保護規格対応
- 墜落時保護用(衝撃吸収ライナー付き)かどうか
- あご紐付きでしっかり固定できる
- 軽量で長時間作業しても疲れにくいタイプ
上記を基準とすると、高所作業に適しつつ、作業効率性のあるヘルメットが見つけられるので、ぜひ探してみてください。
まとめ
今回は、高所作業は何メートルからヘルメットの着用が必須になるかについて解説しました。
高所作業は地面あるいは床から2メートル以上を指し、高所作業と認められるならヘルメットの着用は必須であると理解してもらえたはずです。
ただし、作業内容によって頭部が打撲・ケガをする恐れがあるなら、2メートルより低い作業だとしてもヘルメットは着用すべきでしょう。
高所作業はもちろんのこと、安全に業務ができるという点に配慮してヘルメット着用を判断してみてください。
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